2026/01/23 19:57
アントワープは、ベルギーの首都ブリュッセルから電車で30分ほどの場所にある、芸術と歴史が静かに息づく港町です。ダイヤモンドやファッションでも知られ、街全体が穏やかな文化に包まれている場所です。


静かな光に包まれる場所 アントワープ中央駅
旅の始まりは「世界の最も美しい駅」にも常に選ばれているアントワープ中央駅から。
「鉄道の大聖堂」とも呼ばれるこの駅は、大理石などの石材やガラスが幾層にも重なり、落ち着きがあり、格調の高さを感じる場所です。ホームに差し込む光がやわらかい。荘厳な内観は大聖堂のような落ち着きを構え、駅舎内のカフェも豪華。旅のはじまりを高揚させます。


世界遺産 ノートルダム大聖堂と、物語の舞台になった街
アントワープ中央駅から歩いて約20分。ベルギー最大のゴシック教会「ノートルダム大聖堂」に到着です。170年もの長い歳月をかけて建てられたその姿は、近づくほどに細部が美しく、見上げるほどにため息が出る建築です。
内部には、ルーベンスの最高傑作が収められています。そう、あの「フランダースの犬」の舞台としても知られる教会で、アントワープの郊外で育った貧しい少年・ネロと荷車引きの犬・パトラッシュが最後にたどり着いた場所でもあります。
ネロとパトラッシュが最後に見た聖母大聖堂内のルーベンスの絵画「キリストの昇架」と「キリストの降架」は想像以上に大きく荘厳で、ネロがいつかひと目みたいと思い続けた気持ちが伝わってくる絵画でした。


教会の前の広場には、ネロとパトラッシュの像が静かに横たわっていました。街の人たちは、きっとこんなふうに透き通った朝焼けのなか、二人が穏やかに眠る姿を目にしたのでしょう。

アントワープの秘密の花園「ルーベンスの庭」
大聖堂から少し歩くと、「ルーベンスの家」があります。ルーベンスがアトリエ兼邸宅として使用していたこの場所は、残念ながら現在改修中ですが、隣接した建物「ルーベンス・エキスペリエンス」では、ルーベンスとその弟子の人物像や絵画を解説をしてくれるミュージアムとして観覧することができます。
邸宅前の「ルーベンス・ガーデン」では、彼の美的センスを象徴するような、色とりどりの花やハーブが織りなす庭園を歩くことができます。まるで秘密の花園にタイムスリップしたかのように、癒される場所でした。


小径とルーベンスの足跡を巡る
大聖堂のほうに戻り、喧噪の街を一つ裏に入ると、小さな小径が点在しています。街を歩くだけでとても楽しい。

アントワープはノートルダム大聖堂をはじめとして、様々な教会や美しい建築が点在しています。この街を訪れるのは2度目となりますが、個人的には、この教会が一番好きなので、ぜひ紹介させてください。「聖カルロス・ボロメウス教会」です。
この教会は、イエズス会により1615年から約6年の月日をかけて建てられた教会で、ルーベンスが装飾や絵画、劇画などに大きく関わっています。落雷による火災で多くが消失してしまったようですが、修復により、古典バロック様式の美しい装飾、祭壇や壁には見事な絵画が並んでいます。
多くの絵画が並ぶ中、ルーベンスが描く人物はどうしてこんなに透明感あふれ、優しく繊細なんだろう。教会とルーベンスの魅力を堪能することができる、本当におすすめしたい教会です 。
まだまだ、ファッションに音楽にグルメも、たくさんご紹介したい魅力的な街アントワープですが、【後編】では、もう一つの魅力、ベルギーチョコレートについてご紹介したいと思います。
今回、アントワープの旅でとで素敵なチョコレートとの出合いがありましたので、【後編】でご紹介します。